2006年09月18日

モーターサイクル・ダイアリーズ

モーターサイクル・ダイアリーズ 伝説の革命家チェ・ゲバラが大学卒業間際に友人と行った、バイクによる南米縦断の旅を映画化した作品。モーターサイクル・ダイアリーズです。

 ゲバラというと最近体調が思わしくないカストロと一緒にキューバ革命を起こしたという程度しか知らなかったのですが、キューバを目の仇にしているアメリカの国民である俳優ロバート・レッドフォードが、その人物をどう映画化したのかがかなり興味を引きました。
 「ゲバラはいかにして革命家になるに至ったか」的な作品ではなくて、あくまでもロードムービーということで、仮に違っていたとしても、まぁそれはそれで多少の勉強になるしと思って観てみました。



アルベルトとエルネスト 大学卒業間近の主人公エルネスト・ゲバラは、友人アルベルトと共に行き当たりばったりの南米縦断の旅に出ます。
 行程は10000km以上。1泊以上のツーリングをした人ならわかると思いますが、この距離で何も起きないということはまずありません。だというのに500ccのバイクに二人乗り。しかも貧乏旅行とくれば、当然エピソード満載。

 前半はそのエピソードのいくつかが続く、かなり気楽な展開です。
 旅に出て数日目にエルネストの彼女の家に立ち寄り、そのまま1週間くらい居座ったりとか、医大生で正確にはまだ医者でもないのに、医者だといって民家に押しかけて宿と食事にありつこうとしたりと、この流れからは「革命家に至る」展開は期待できないなぁ(笑)。

川にドッポンですよ未舗装路で吹っ飛びますよ もちろんバイク旅ですから、二人の乗るバイクは何度も何度も転倒し、シーンが進むたびにボロボロになります。「オフロードでそんなにスピード出すなよ」って思わず言ってしまう私でした。
 ぶっちゃけ、バイクでまっすぐ走っているシーンより、こけるシーンの方が多いような印象。さらに荷物満載のバイクを押して歩くシーンも多いなんて、ああ、バイク乗りには辛い映画(+_+)


押し歩きはホント辛いです。 そのバイクの押し歩きとなると、エルネストとアルベルトは大抵喧嘩してます。口数の多いアルベルトが仕掛けるわけですが、エルネストはこれでよく一人旅に変更しなかったもんだと。

 その後、バイクは完全に壊れて走れなくなり、二人の旅はヒッチハイクに切り替わります。
 ちなみにバイクが壊れたのは映画の中間手前。旅の行程からするとヒッチハイクのほうが多いかも。「モーターサイクルちゃうやん!」と突っ込んだとしても、演出じゃなくて事実ですからしょうがありません。

 しかし、バイクに乗らなくなってから話の展開が変わってきます。
 二人と行く先々で出会う人たちとの交流が徐々に増えてきます。出会う人は昔ながらの暮らしをしている人や、権力者に追いやられた人たちといった、弱い立場の人々。ここから二人は南米の現状を考えるようになります。しかし、俺が革命を起こすぜ!的な熱い叫びを上げるわけではありません。あくまでも染み入る感じ。

 さらに後半は旅の行程よりも、立ち寄った先のハンセン病治療施設の出会いによって生まれた信頼関係が、エルネストに何を考えさせたかがより深く刻まれます。

 適当に読んだどこかの映画解説ではゲバラが革命家への道を進むことになった切っ掛けが、この『モーターサイクル・ダイアリーズ』の旅だとあったのですが、観終わった感じ、たしかにその面はあると思いますが、革命とまではいかなくて、エルネストが何のために生きるかを掴んだというところまでのように感じました。

世話になった教授の小説を正直に評するエルネスト。 劇中のエルネスト・ゲバラは相手が気を悪くしたとしても、自分に答えを求めているなら正直に真実を話すという、根っからの誠実な男として描かれていました。この性格が映画にもよく出ていて、映画自体もとても正直で誠実なものにできています。この誠実さこそ、正直さこそが魅力というべき映画です。多分見終わって悪い印象を持つ人はいないのではないでしょうか。

 ラストシーンでは、『モーターサイクル・ダイアリーズ』の原作者でエルネストと一緒に旅をし、既に年老いてしまったアルベルトの、飛行機を見る眼差しのアップが映し出されます。懐かしさと、エルネストに対する思いのこもった視線が印象的でした。







posted by アルシオーネ at 23:59| ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画を語る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 遠い空の下、僕は世界が目覚める音を聞いた。
Weblog: Addict allcinema おすすめ映画レビュー
Tracked: 2009-10-10 09:46
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